友の会ニュースTOMONOKAI NEWS

2017年10月30日(月)
こんにちは。愛知県豊橋市のユタカ自動車学校主催の「交通安全友の会」の山川です。
愛知県は名古屋市。東三河で暮らす皆様も、電車や車で名古屋へ行く方も多いと思います。そんな名古屋市で自転車の安全利用についての条例が施行されました。
2017年4月1日に制定された「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」。今回は、こちらの名古屋の条例について説明いたします。
また愛知県内の自転車の安全条例について、別途下記にまとめていますので、あわせてご覧ください。
❏ 2017年4月1日制定「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」
2017年4月1日制定「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」。
こちらの条例は、保険についていうと、自転車利用者に対して自転車の損害賠償保険への加入が義務付けられた、ということです。
目的は、自転車事故での「被害者の保護」を図るためです。
自転車は手軽で便利な乗り物であり、子どもから高齢者まで多くの方に利用されていますが、交通ルールを守らない自転車利用者も多く、全国的にも自転車事故が社会的な問題になっています。
そのため、名古屋市では、自転車事故による被害者の保護を図るよう、「自転車の安全で適正な利用の促進」に関する条例を制定しました。
この条例のポイント
1.交通安全教育の充実
2.自転車損害賠償責任保険等の加入義務化
3.高齢者のヘルメット着用(65歳以上の自転車利用者)
詳細を見てみましょう。
対象者:名古屋市内で自転車を乗車する人
近隣市の在住者でも対象になる可能性があります。
効力:義務
※加入状況の確認が難しいため、罰則はありません。
❏ どうして義務化されるの?
近年、自転車利用中による事故で高額の損害賠償を命じられる事例が発生していて、全国的にも高額の賠償事例が発生していること。
そして交通ルールを守らない自転車利用者も多く、社会的な問題になっていることが挙げられます。スマホなどを見ながらの「ながら運転」による事故なども増えています。
名古屋市名東区では、2016年2月には死亡事故も発生し、69歳の男性の自転車が小学生の自転車と衝突して、頭を強く打ち、男性が亡くなりました。
その様な事態をうけて名古屋市では、自転車損害賠償保険等への加入が、自転車利用者と自転車を利用する未成年の保護者に対して、義務化されました。(平成29年10月1日施行)
❏ この賠償責任は未成年であっても責任を免れることはできません。
この賠償責任は、未成年であっても責任を免れることはできません。
そして保護者の方は、お子さんが自転車を利用する場合は、自転車損害賠償保険等に加入しなければなりません。
※ただし本条例では自転車保険の加入の義務化はされていますが、罰則規定はありません。
❏ 愛知県の自転車事故の賠償額の事例
愛知県の自転車事故の賠償額の事例を掲載します。いずれも賠償額が高額で、事故相手に重傷をおわせた事例です。
2012年:約2,080万円
・男子生徒が歩道を自転車で走行中、歩行中の成人女性と衝突し女性が死亡。
2013年:約1,870万円
・男子児童が自転車走行中、成人女性の自転車に衝突し、ケガを負わせる。
2015年:約1,620万円
・ 女子児童が自転車で走行中、男性と衝突し重傷を負わせる。
名古屋市の自転車の条例の中で自転車損害賠償保険に関係する箇所を掲載します。
【参照条文】
名古屋市自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例
第14条(自転車損害賠償保険等の加入)
自転車利用者(未成年者及び事業活動のために自転車を利用する者を除く。)は、自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当該自転車利用者以外の者が、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入している場合は、この限りでない。
2 保護者は、その監護する未成年者が自転車を利用するときは、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当該保護者以外の者が、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入している場合は、この限りでない。
3 事業者は、その事業活動のために従業員に自転車を利用させるときは、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入するよう努めなければならない。
4 市は、自転車損害賠償保険等に加入しようとする者の利便に資するため、自転車利用者等に対し、自転車損害賠償保険等の加入に関する情報を提供するものとする。
掲載日 2017/10/30 最終更新日 2017/10/30
~~~あとがき~~~~~~~~~~~~~~~~
交通安全友の会の豊橋市と同じ愛知県。しかも県を代表する名古屋市で、自転車損害賠償責任保険の加入が義務化となりました。
今後、県内の他の市町村でも同じような条例が施行されることも予想されます。
◎愛知県の自転車の安全利用に関する条例について
愛知県では名古屋市に先立ち、知多市で「知多市自転車の安全利用に関する条例」がすでに施行されています。
年明けには知多、名古屋に続き県内3例目として豊川市が2018年に条例が制定されるようです。
近年、自転車事故は社会的な問題となっており、今後自転車の利用に関しての条例を整備していく自治体が、愛知県内でも増えて来るでしょう。
<最後に>
皆様も自分の県や市では条例がないから大丈夫ではなく、今一度、自分や家族が辛い思いをしないために、今まで以上に自転車の安全の交通安全について振り返っていただければ幸いです。
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